2015年3月26日木曜日

エレベーターのスライディングガイドシューとは

エレベーターのガイドシューは、「スライディングガイドシュー」と「ローラーガイド」に分類できます。

※ガイドシューとは、エレベーターのカゴをガイドレールに沿って動かすための部品。

ローラーガイドがローラーで動くのに対して、スライディングガイドシューは、摺動(しゅどう)式です。

つまり、ガイドレールをすべりながら動きます。


この際、スムーズに滑らすためにグリス(潤滑オイル)を使用します。

2015年3月20日金曜日

直接式油圧エレベーターと間接式油圧エレベーターの違い

油圧ジャッキで駆動する油圧式エレベーターは、「直接式」と「間接式」に種類が分かれます。

※油圧ジャッキとは、油の圧力で物を支えたり、持ち上げたりする装置です。

このページでは、直接式油圧エレベーターと間接式油圧エレベーターの違いについて解説しています。

直接式油圧エレベーター

油圧ジャッキが直接的にカゴを動かす方式です。




間接式油圧エレベーター

油圧ジャッキが滑車を動かし、滑車のロープを介して、間接的にカゴを動かす方式です。



油圧式エレベーターは、上部に巻上機を設置しなくても良いというメリットがありますが、油圧ジャッキを用いる限りは、昇降の速度に限界があります。

また、ロープ式エレベーター(トラクション式)と違い、つり合いおもりがないので、消費電力も大きくなってしまいます。

2015年3月19日木曜日

簡易リフトの巻過防止装置とは

簡易リフトの巻過防止装置(まきかぼうしそうち)について、解説します。

簡易リフトは、最上部に設けられている巻上機(ホイストマシン)によって、カゴ(荷台)を昇降させています。

▲簡易リフトの構造

▲巻上機(ホイストマシン)の写真

▲カゴ(荷台)とワイヤーロープは、フックブロックで繋がれています。


巻過防止装置がない場合、巻上機がワイヤーロープを巻き過ぎてしまいます。

その結果、フックブロックが巻上機本体に衝突し、ワイヤーロープの切断、フックブロックやシーブの破損等の破損でカゴが落下する可能性があります。

巻過防止装置があることで、カゴが一定の高さになると、自動的に停止します。


簡易リフトの構造規格(巻過防止装置)について


以下、引用です。
(巻過防止装置)
第十三条  簡易リフトは、次の各号に掲げる安全装置を備えるものでなければならない。ただし、第一号
  及び第二号の規定は、搬器としてバケツトを用いる場合には、適用しない。
  一  昇降路のすべての荷の積卸口の戸が閉じていない場合には、搬器を昇降させることができない装置
  二  搬器が昇降路の荷の積卸口の戸の位置に停止していない場合には、かぎを用いなければ外から当該
    荷の積卸口の戸を開くことができない装置
  三  水圧又は油圧を動力として用いる簡易リフト以外の簡易リフトにあつては、搬器が昇降路の頂部に
    ある床、はり又は巻上機に衝突することを防止するための巻過防止装置
2  水圧又は油圧を動力として用いる簡易リフトにあつては、前項第一号及び第二号に定めるもののほか、
  水圧又は油圧の過度の上昇を防止する装置を備えるものでなければならない。

ダブルデッキエレベーターとは

今回は、ダブルデッキエレベーターについて、ご紹介したいと思います。

ダブルデッキエレベーターを英語にすると、Double Deck Elevatorですね。

doubleは、「2倍の」「2重に」
Deckは、「乗り物の床」「出入口」
という意味になります。

つまり、ダブルデッキエレベーターは、ダブル(2倍の)デッキ(出入口)のエレベーターという意味になります。

簡単に言うと、2階建てのエレベーターです。


▲ダブルデッキエレベーターの構造


ダブルデッキエレベーターのメリット

ダブルデッキエレベーターにすることで、通常のエレベーターと比べて、同じスペースで多くの人が乗ることができ、輸送効率は、1.5倍~1.9倍になります。


ダブルデッキエレベーターが設置されてるビル(導入事例)

最後に、ダブルデッキエレベーターが設置されているビルをご紹介したいと思います。

・大阪大林ビルディング(大阪府)
・六本木ヒルズ森タワー(東京都)
・リバーサイド隅田 セントラルタワー(東京都)
・虎ノ門ヒルズ(東京都)
・ミッドランドスクエア(愛知県)

2015年3月18日水曜日

機械室レスエレベーターとは

機械室レスエレベーターとは、一般的に「マシンルームレス・エレベーター」と呼ばれています。

・機械室とは、巻上機、制御盤、地震感知器などが設けられている部屋です。
・レスとは、英語でless。少量、欠く(不足する)という意味です。

つまり、機械室レスエレベーターとは、"機械室がないエレベーター"という意味です。
※マシンルームレス・エレベーターも同じ意味です。


エレベーターには、「機械室があるタイプ」と「機械室のないタイプ」があります。


機械室のあるタイプ

次が「機械室のあるタイプ」のエレベーターの構造図です。
機械室が上部に設けられています。
機械室には、巻上機、制御盤、地震感知器、消火器などが設けられています。


機械室のないタイプ

こちらが、機械室レスエレベーターになります。
構造図はありませんが、機械室のないタイプのエレベーターの場合、かごが移動する通路である昇降路内に巻上機や制御盤が設けられています。

2015年3月5日木曜日

なぜ、エレベーターに地震計を設置するのですか?

エレベーターに地震計を設置する理由は、地震が発生したときに閉じ込め事故を防ぐためです。


もっと、詳しく説明しましょう。

まずは、地震について知る必要があります。

地震には、初期微動(P波)と主要動(S派)があります。

初期微動は、地震のはじめに発生する小さな揺れ、主要動は、大きな揺れです。


地震対策が施されているエレベーターには、地震時管制運転装置が付いています。

地震時管制運転装置には、S波地震計とP波地震計が設置されています。

この地震計が初期微動(S波)を感知すると、エレベーターが自動的に最寄りの階に停止し、乗車者を避難させます。