万が一、1つのブレーキが故障しても安全を確保できるように、最近のエレベーターは2重ブレーキになっています。
なぜ、ブレーキが故障すると危険なのでしょうか?その仕組について簡単に解説します。
マンションやビルに設置されているエレベーターの多くは「つるべ式(トラクション式)」を採用しています。
その構造の中でエレベーターのブレーキとは、巻上機のブレーキとなります。
こんな仕組みです↓
まずは、カゴ、巻上機、ウエイトを確認して下さい。
人が乗るカゴはウエイトと呼ばれる重りと釣り合わせ、効率的に駆動させています。
このウエイトですが、カゴより重くなっています。
巻上機のブレーキで図のような状態を保っていますが、エレベーターに1人、2人しか乗っていない時、ブレーキが効かなくなるとウエイトの重さでカゴが上がります。
つまり、ブレーキが故障するとカゴが急上昇します。
もし、人が乗り込んでいるときにカゴが急上昇すると人の挟まり事故に繋がります。
実際にこのような事故は発生しています。
人の挟まり事故を防ぐために、戸開走行保護装置(UCMP)の導入が挙げられます。
この装置によってブレーキが故障したときに、独立したブレーキが働き、カゴを静止させます。