2014年12月26日金曜日

巻上機 (検査)エレベーター


巻 上 機

・巻上機の取付けは確実で,地震その他の振動によって移動,転倒しな
  い措置が施されていることとする。

・巻上機の運転状態は良好で異常な発熱,振動や異音がないこととする。

・制動機の取付けは確実で,動力遮断の際,かごを安全に減速停止させ
 ることができることとする。

・綱車にはひび割れがなく,通常運転時,主索との間に著しいすべりがない
  こととする。また減速機構のあるものは,その歯車の歯の厚さは,設置
  時の歯の厚さの 7/8 以上とする。
 
・綱車,そらせ車又は巻胴は,地震その他の振動によって主索が外れない
  ように措置されて いることとする。

・かごに救出口を設けていない場合は,常用の電源を使用せずに下記(※1・2)
  操作にてかごを階床レベル又は救出可能な位置まで移動し,かご内の乗客
  を安全に救出できること とする。

(※1)
建物の予備電源又は専用のバッテリーなどを電源として,制御器の手動操作
又は保守用コンソールなどの操作によって,駆動用電動機を回転させ
るか,制動機を断続的に緩めるなどしてかごとつり合おもりの
アンバランスを利用して,かごを上昇又は下降させる。

(※2)
手動で制動機を緩め,クランクなどを操作して綱車を回転させるか,制動機を
断続的に緩め,かごとつり合おもりのアンバランスを利用して,かごを
上昇又は下降させる。



昇降路一体型リフト

荷物用リフトを設置する場合は、安全のため、昇降路を設けます。

※昇降路とは、リフト周りの囲いです。

しかし、昇降路を設けるため、工期がかかってしまいます。
当社が提供している小荷物専用昇降機(ダムウェーター)のコンパクトタイプ(ADC型)は、昇降路一体型リフトです。




飲食店や事務所など、料理や小さい荷物を運ぶために採用されています。

昇降路工事が必要ない分、工期は早くなります。据付け工事も一日で完成です。

ワイヤーロープ(主索)検査基準 エレベーター


ワイヤーロープ(主索)


【径】

測定箇所:
昇降する頻度の最も高い階(基準階)から加速終了位置又は減速開始位置の主索が綱車に掛かっている場所

最も摩耗した主索:
未摩耗直径寸法→測定寸法

92パーセント未満 要注意
90パーセント未満 取替要



【疲労破壊】

素線の破断が平均に分布している場合:
1よりピッチ内の素線切れ総数が6より鋼索にあっては24本、8より鋼索にあっては32本を超えていること又は1 構成より(ストランド)の 1 よりピッチ内での破断数 4 以下破断素線の断面積が,元の素線の断面積の70%以下(※1)となっているか,又は,さびが甚だしい場合

1 構成より(ストランド)の 1 よりピッチ内での破断数 2以下

素線の破断が 1 か所又は特定のよりに集中している場合:
素線の破断総数が 1 よりピッチ内で 6 より鋼索では12 以下,8 より鋼索では 16 以下又は1構成より1ピッチ内の素線切れが9本をこえていること
(※1)  破断素線の断面積が 70%以下かどうかは,素線の摩耗長さを測定し,下記表の数値以上であることで判定できる。 


【素線の摩耗長さ】

ロープの構成記号及び摩耗長さ(/1) 単位:mm
主索直径 8×S(19) 6×W(19) 8×Fi(25)
8 2.8 3.2 2.6
10 3.6 4.0 3.3
12 4.2 4.8 4.0
14 4.9 5.6 4.4
16 5.6 6.3 5.4
18 6.3 7.2 6.2
20 7.1 8.1 6.5



【素線の摩耗長さ(異形線)】

ロープの構成記号及び摩耗長さ(/1) 単位:mm
主索直径 8×P-S(19) 8×P-Fi(25)
10 4.3 3.7
12 5.2 4.5
14 6.1 5.2
16 6.9 6.0
18 7.8 6.7



【主索の錆及び錆びた磨耗粉の状況】

全長の錆及び錆びた磨耗粉の固着の状況を目視により確認し、錆びた磨耗粉により谷部が赤錆色に見える箇所がある場合にあっては、錆びた磨耗粉により谷部が赤錆色に見える部分の直径及び綱車にかからない部分の直径を測定するとともに当該箇所を重点的に目視により確認する

判定基準:
  • 錆及び錆びた磨耗粉が多量に付着し、素線の状況が確認できないこと
  • 表面に点状の腐食が多数生じていること
  • 錆びた磨耗粉により谷部が赤錆色に見える部分の直径が綱車にかからない部分の直径と比較して94%未満であること
  • 錆びた磨耗粉により谷部が赤錆色に見える部分の1構成より1ピッチ内の素線切れが2本を超えていること



【主索の損傷及び変形の状況】
著しい損傷又は変形があること



2014年12月25日木曜日

エレベーター地震時等管制運転装置 (概要)

地震時等管制運転装置


1.設置が不要となるエレベーター

 ・昇降行程が7m以下のエレベーター(乗用、人荷用、寝台用)

 ・荷物用エレベーター及び自動車用エレベーター(共に人が乗らないもの)

 ・段差解消機、いす式階段昇降機


2.地震時等管制運転装置の内容 (概要)

 ・P波及びS波管制運転、かご内へ運転情報の表示、予備電源の設置


3.地震時等管制運転装置が既存不適格となる条件 (概要)

 ・鉛直方向又は水平方向に生じる0.1m/s×s(10gal)以上3.0m/s×s(300gal)以下の
   過速度を検知できない。

 ・かごを自動的に乗場戸のある階に停止させ、かつ、かごの戸の開き、又はかご内
   から開くことができる。→これらの機能がない。

 ・自家発電設備又は停電時自働着床装置を有していない。





昇降機の故障報告


昇降機の故障報告(検査)

昇降機に不具合が発生した場合は、報告が必要となります。


◆不具合とは
異常停止、装置の機能の異常停止、異常音、異常な振動、着床誤差、機器の損傷(焼損・破損等)等で通常の状態と違うものいいます。


◆改善とは
不具合の状況が発生した時に、通常の状態に戻すことをいいます。
(部品の交換、装置の調整等)


◆報告の対象
昇降機の機能の障害があったものを報告するものであり、昇降機の正常な作動による停止は報告の対象とはなりません。具体的な報告が必要なもの

①報告が必要なもの

・昇降機の機能の異常や停止したものすべて

・維持保全の作業で覚知した不具合のすべて
(異常に至る前の消耗品の交換は含みません。)

②報告が不要なもの

・停電により停止したもの

・地震時管制運転装置等の各種管制運転装置が作動し停止したもの
(ただし、地震で機器が損傷して改善した場合等は報告の対象とします。

・保守作業員又は利用者等の不注意等が原因で異常や停止が発生したもの
(ただし、機器の改善が必要となった場合は報告の対象とします。なお、保守作業者の不注意とは保守時に使用するスイッチ類の戻し忘れによる停止等をいいます)

・表示灯、照明。電飾照明等の寿命による球切れ(表示灯・照明を点灯させる装置の不具合は報告の対象)

・維持保全のために改善したもの

・機器の変調の予兆で改善したもの

フォークリフトが搭載可能な荷物用エレベーター

当社で提供している荷物用エレベーターの最大積載容量は、5トン(5000kg)です。


これは、荷物を載せたフォークリフトを昇降できる積載容量です。


例えば、1トン(1000kg)の荷物を載せることのできるフォークリフトの本体重量は、約2トン(2000kg)ほどとなります。
1トン(荷物)+2トン(フォークリフトの本体重量)=3トン



また、出入口幅は最大4000mm程度まで広げることができますので、ゆとりをもって搬入できます。


荷物を1階から2階まで上げるとき、荷物を降ろすことなく、フォークリフトごと昇降したいという方には、荷物用エレベーターをおすすめします。

エレベーター 検査(絶縁抵抗)


ロープ式エレベーター
電動機 300Vを超えるもの 0.4MΩ以上
300V以下のもの 0.2MΩ以上
制御回路
300Vを超えるもの
0.4MΩ以上
150Vを超え
300V以下のもの
0.2MΩ以上
150V以下のもの
0.1MΩ以上


油圧エレベーター
電動機 300Vを超えるもの 0.4MΩ以上
300V以下のもの 0.2MΩ以上
制御回路 300Vを超えるもの 0.4MΩ以上
150Vを超え
300V以下のもの
0.2MΩ以上
150V以下のもの 0.1MΩ以上


小荷物専用昇降機
電動機 300Vを超えるもの 0.4MΩ以上
300V以下のもの 0.2MΩ以上
制御回路 300Vを超えるもの 0.4MΩ以上
150Vを超え
300V以下のもの
0.2MΩ以上
150V以下のもの 0.1MΩ以上